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in the flight
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公園を二人で歩いて、家に帰った。
玄関は店の裏側にあって、そこにハーブを沢山植えている。今ならバジルやミントが沢山育ち過ぎて、毎日摘んでは生えてのイタチごっこ。
「ほんとだ。いっぱい育ててるんだ」
「ほとんど自生に近いですけどね。水もあんまりやってません。それでも、これだけ育つのですから。バジルもいい加減、食べ飽きました」
「あ。店でたまにサラダにかかってるソースって」
「はい。これです。沢山作っても使い切らなくて・・・」
「ほんと、なんでも作れるんだ。俺は料理は得意じゃないから」
「ま、仕事ですから。さ、入りましょう」
ずっと、くんくんとハーブの匂いを嗅いでいるカカシさんに声を掛けて家の中に招き入れる。
「おじゃまします」
「どうぞ。何もないですが・・・」
玄関から入ってすぐに店の倉庫があって、その中に部屋へと続く階段がある。
部屋、散らかっていないかな。と、出てきた時の事を思い出す。うん。店のカウンターは仕込み途中で散らかっているけれど、部屋は片付けたばかりだからきれいな筈。
「あ・・・すごい良い部屋。窓がいいな」
階段を上がった正面に、壁いっぱいの大きな窓があって。向かいの公園が一望できるのだ。緑が一面の眺めは僕も気に入っている。
「狭いですけど、一番好きな場所です」
物珍しそうに部屋の中をウロウロしているカカシさんを微笑ましく思いながら、冷蔵庫から冷えた麦茶を出してあげた。
「すぐにコーヒー淹れますね」
「ありがとう。でも、気は使わないでね。せっかくの休みなんだから」
「たまには使わせて下さい。それでなくても、この部屋に人が来る事なんてほとんど無いのですから」
そう言ってヤカンに火をかける。
「少し下に行ってきます」
コーヒーだけ出すっていうのもと思って、店にケーキを取りに行った。試作品のチョコレートケーキ。甘いものを食べるイメージは無いけれど、何も出さないよりかはいいだろうと思って。
お皿にふたつ乗せて上がってきたら、カカシさんが目を丸くさせた。
「ケーキ?」
「はい。店で出そうかと思って・・・試作品なんですけどね。甘いもの、苦手ですか?」
「うん。苦手っていうか・・・長い事食べてない」
「そうですか。じゃ、僕が食べますんで」
そう言ってソファの前のテーブルに皿を置いた。
「食べるよ。なんていうか・・・テンゾウの作ったのなら、食べれる気がする」
カカシさんの言葉に一瞬ドキッとして、驚いて振返ると照れたように頭を掻いて俯いていた。そんな仕草がたまらなくかわいい。
「じゃ、一緒に食べましょう。あ・・・お湯が沸いたみたいですね」
グラグラと沸騰する音が聞こえてきたから、僕は冷凍庫からコーヒー豆を出して二人分、グラインダーで挽いた。
「いい匂い」
「そうですね。この香りは淹れてしまったら、ほとんど残りませんから」
挽いたコーヒー豆をペーパーをセットしたドリッパーに入れる。
店ではネルを使っているけれど、家ではもっぱらペーパードリップを使う。ネルで淹れるのに近い形をしたドリッパーなのだけど、それでもやっぱりペーパーで淹れたコーヒーは油分がいい具合に抜けて、普段からコーヒーを沢山飲む僕にはこっちの方が合ってるのだ。
カカシさんが隣に来て、僕が淹れる所を覗き込む。
「淹れてみます?」
「ううん。テンゾウのが飲みたいから、いい」
カカシさんは無意識なんだろうけど。よく、僕が作ったのなら・・・とか言ってくれる。その言い方が、僕の事が特別なんだと言ってくれているみたいで、その度に僕はドキドキしてしまう。
「あ。カカシさん、カップをふたつ出してもらえますか?」
そこの棚にあるやつ。と伝えると、真っ白のエゴのカップを取り出してきた。エゴというのはこのカップの名前で、とてもシンプルなんだけど形が少し変わっていて僕のお気に入りのカップだった。
ケーキを乗せた白い皿に合わせてくれたのだろうか。コーヒーをカップに注いで、フォークを二本取り出して一緒にソファへ移動した。
「いい匂い」
カカシさんは一言そう言って、コーヒーを飲む。いつもと違う淹れ方だし、豆だって違うけれどカカシさんは何て言うのかな。
「おいしい。でも、いつものと違う気がする」
「分かります?」
「そりゃ禁断症状でるぐらい、毎日飲んでたんだもん。分かる」
「インドネシアの豆なんです。少しクセがあって・・・スパイスのような香りがするでしょう?チョコレートケーキと合うので」
「いろいろあるのに、店は一種類しか出さないんだ」
「はい。色々あったら、どれにしようか悩むでしょう?僕はその方が楽しいですけど、カカシさんみたいに通って下さる方は一種類のほうがいいのかなって思うんです」
「そうだね。なんかほら、変な例えだけど母親の味噌汁の味みたいな感じなの。俺はね。ホッとする味がするよ、テンゾウのは」
そう言って微笑むカカシさんと目が合って、ドキドキしてしまう。目が離せなくなってしまうような気がして、慌てて視線を逸らした。
「ケーキ、いただきます」
カカシさんはそう言ってフォークに少しだけケーキを取って、口に運んだ。
「ん・・・大丈夫。食べれる」
言い聞かせるように言った口調が可笑しくて。
「いいですよ、無理しなくて」
「うん。おいしい」
ぱくぱく食べてくれるカカシさんは、嫌いな物を意地になって食べる子供みたいでかわいいと思った。
お皿に乗ったチョコレートケーキがいつの間にか無くなっていて。
甘いものが苦手なのに、気を遣って沢山食べてくれたんじゃないのかなって思ったりした。
「そういえば来月の花火大会の花火って、カカシさんが作ったやつも打ち上げられるんですか?」
「うん。毎年八月十日の花火大会でしょ?」
「僕、誕生日なんです。だからっていう訳じゃないんですが、お祝いをしてもらってるみたいで毎年楽しみにしてるんですよ」
「祝ってもらえるような人とかいないの」
「ええ。いい歳して情けない話なんですけどね」
カカシさんに祝ってもらえたらどんなにいいだろうって、ふとそんな事を考えてしまった。今日みたいに二人きりで。
「付き合ってる人いないんだ」
「いませんよ。いるように見えますか?」
「見える。だってテンゾウ、いい男だもん」
「お世辞言ったって、何も出ませんよ。それこそカカシさんはどうなんです?いないって言ってましたけどモテるでしょう」
「あんまり興味ないんだ、そういうの」
なんか凄く分かるような気がするのは、自分も同じようなものだから。だけどカカシさんだけは違った。
「他人にもあまり興味を持てなくてね。でも、テンゾウは別かな。店も居心地よくて好きで通ってるんだけど、そう思うのはテンゾウだったからだと思うんだよね。毎朝おはようございますって言ってくれるテンゾウに会いたくて、通ってる」

いつの間にか部屋は薄暗くなってきていた。灯りをつけようかと悩んだけれど、少し暗い分カカシさんとの距離が近くなったような気がしてしまって。気付かないふりをする。
「ボート付き合って下さってありがとうございました。また乗りましょうね」
「また乗るの?」
「はい。楽しかったんで」
暗くなった分、表情が見えないからどさくさに紛れてデートのお誘いをしてみる。
「俺じゃなくても・・・」
「カカシさんとがいいです。ていうか僕、友達いないんで」
「ていうか、ああいうのは男同士で乗ったって楽しくないでしょ」
「カカシさん楽しくなかったんですか?」
そうは見えなかったけどな。
「分かった。また今度ね」
渋々といった具合だけれど、そう返事をしてもらえて。
「ありがとうございます。嬉しいです」
「それよりテンゾウ、時間大丈夫?仕込みとかで忙しいんじゃないの」
カカシさんが不意にそう言って、部屋の時計を見た。もう七時はとっくに過ぎていた。
会ったのがお昼過ぎだから、もう随分と一緒にいるけれど。それでもまだ一緒にいたいって思ってしまう。
「ええ。まぁ、そうなんですけど」
カカシさんが帰ってしまうのが名残惜しくて。もっともっと一緒にいたい。だって、また明日から会えなくなるような気がしてしまって。
迷惑になるような事はしたくないけれど、帰ってほしくないと本当はそう思っている。
「・・・どうかした?」
「いえ・・・。ただ、また会えなくなるんじゃないかと思ったら、寂しくなりました」
こんな事、言うべきじゃない。
「ここ毎日、明日はカカシさん来てくれるかなって。もしかしたら体調が悪いのかなとか。僕が何かしてしまったのかなって、ずっと考えていました」
駄目だって分かっていても、止められなかった。ずっと堪えていた想いが溢れ出して。
カカシさんは、何も言わない。部屋は暗くて、カカシさんの表情が分からない。
「・・・すみません。気持ち悪いですよね、こんな事カカシさんに思うなんて」
忘れて下さい。そう言おうとしたら。
「気持ち悪く何かないよ」
「え・・・」
恐る恐るカカシさんの顔を見つめると、目が合って視線を逸らす。
「俺だって・・・ずっとテンゾウの事見てたから。最初は店が気に入って通うようになったけど、いつのまにかテンゾウの事ばかり見ている事に気が付いて。やっと話せるようになって、すごく嬉しかった」
「じゃあ・・・なんで」
なんで来てくれなくなったんだろう。本当に忙しい?そういえば、今日だって仕事をサボっている訳であって。毎朝来てくれていたのが一度も来なくなったのに、その理由が忙しいと言うには無理があるような気がしてきた。
「・・・きだって、気付いたから」
「え。今なんて」
好き・・・?って言ったような気がするのは、僕の幻聴だろうか。
「もう言わない。だから、気持ち悪いのはむしろ俺の方で、だからテンゾウがそんな風に思ってくれていたなんて思わなかったからすごく嬉しかった。今日も会えて話かけてくれて、嬉しかった。だけど、テンゾウが俺の事を気にしてくれるのはただ俺が常連だからであって・・・」
もう限界。カカシさんが話している最中に、僕は思わず抱きしめてしまった。カカシさんの表情がすごく悲しそうで。こんな事を言われて抱きしめずにはいられなかった。
「カカシさん・・・」
「テンゾウ・・・離して」
「さっき、なんて言ってくれたんですか?」
カカシさんの心臓の音が早い。僕もきっと、同じ位に早いんだろう。
「・・・言わない」
「僕も、カカシさんの事が好きです。だから・・・」
そう伝えると、カカシさんは僕から離れた。そして、カカシさんの顔がゆっくりと近付いてくる。
「離して」
吐き出すように言ったカカシさんの言葉に、拒絶されてしまったと思って体中から力が抜ける。
こんなこと、普通なら気持ち悪いと思われて当然だと分かってはいるけど、それでも、どうしても今伝えないとずっと後悔すると思ったから。
呆然とする僕に向き直ったカカシさんの顔が、ゆっくりと近付いてくる。部屋の中は真っ暗闇でよく見えないけど何をしようとしているのか位は分かった。
「カカシさ・・・」
驚いて名前を呼べば、ぎこちなく唇が重ねられて離れていく。
「・・・俺はテンゾウと、こういう事したいって思ってるし、これ以上の事もしたい。だから、嫌だって思ったなら今のうちに言って」
嫌だと思う訳がない。触れるだけのキスをされて、もっと深いキスをしたくなってしまったのだから。
「嫌です」
すぐ目の前のカカシさんの頬を手で包みこんで、唇を重ねた。
「・・・っ」
カカシさんの唇は僕より少し体温が低かった。ぎゅっと硬く閉じられた唇に何度も重ね合わせていると、ほんの少しだけ唇が開かれた。
そっと舌を潜り込ませると、カカシさんの舌が遠慮がちに絡んでくる。その舌を絡めとり擦り合わせて、ざらざらした感触を夢中で味わう。
「僕は、こんなキスじゃ物足りません。もっとカカシさんの事が知りたい。体中にキスしたい。ずっと触れてみたいって思っていたんです。好きなんです」
カカシさんは一瞬目を見開いて僕を見て、ぎゅっと抱きついてきた。
「いいよ。・・・好きにして」
そう言ったカカシさんを、僕は迷わずベッドに連れて行き押し倒した。服を脱ぐのも脱がすのももどかしく、貪るようにカカシさんの体中に唇を落とした。
抱き合って体を重ねるとお互い硬くなったものが当たり、どちらからともなく手を伸ばしていた。お互いに男であるから気持ちいい所はよく分かっていて。
僕はカカシさんの昂りを擦りながら、胸の粒を唇で咥えた。反対側の粒も空いた指の腹で優しく触れてみると、甘い溜め息が聞こえてきた。
「っ、カカシさん、ここも気持ちいいんですか?」
「・・・っ、ん・・・、分からない・・・っ」
軽く歯を立てて舌で舐めあげると、背中を何度も仰け反らせた。
「こっちも舐めたい。いいですか」
カカシさんの昂りを。そう聞けば顔を赤くして暫く考え、それから小さく頷いた。
中途半端に降ろしたままだったズボンと下着を抜き取って、カカシさんの股の間に顔を埋める。そして、ぱくりと口内にカカシさんの熱を呑み込んだ。
「ぁっ・・・ぁ・・・」
気持ちいい所は大体同じだと思うのだけど、人によってここが好きだとか色々あるだろうから。それは探ってみないといけないかな。ゆっくりと顔を上下に動かしているうちに、先端から蜜がとろとろと溢れだしてくる。
唾液と混じって根元まで伝い、膨らみをじっとりと濡らしていた。手でやんわりと揉んでみると、すぐにそこも硬くなり始めた。
「ん・・・ぁっ、はぁ・・・っ・・・」
そのまま手を後ろに滑らせて、隠れている後ろの窄まりに触れるとカカシさんの体が硬直して、後ずさりした。少し性急すぎただろうか。
「待っ・・・」
口元に手を当てて、目を丸くさせて僕をじっと見ている様子はとてもかわいくて。
「駄目ですか?体中にキスしたいって、さっき言いましたよね」
「言った・・・けど・・・っ、俺が、その・・・挿れられる、方な訳?」
こんなに動揺したカカシさんは初めて見る。
「えっと・・・そうですよね。一応、カカシさんの希望も聞いた方がいいかもしれません」
「当たり前っていうか、俺が年上なんだから・・・俺が・・・っ」
「はい。・・・じゃあこうしましょうか。今日はとりあえず僕の好きなようにさせて下さい。それからどうするか、考えましょう」
そう言って、カカシさんに近付く。
「なんかそれって・・・、ぅ・・・ん・・・っ」
僕がカカシさんに抱かれるなんて想像も付かないけど。とりあえずうやむやにしてしまおうと、唇を塞いだ。
こんなにかわいい反応するのに。僕はカカシさんが絶対に嫌だって言うのなら諦めるけど、こんなかわいいカカシさんが見られないのは勿体ないと思ってしまって。
深く舌を絡ませながら、手をもう一度後ろに伸ばして入り口をそっとなぞる。触れるとヒクヒクと収縮する入り口に体液を塗り込んで、ゆっくりと埋め込んでいく。
「・・・っ・・・んん・・・」
苦しそうに藻掻くカカシさんを唇から解放してあげた。
「大丈夫です。すぐによくなる筈なんで」
強く押し返してくる肉壁を傷付けないように、ゆっくりと押し進めていく。きっとローションとかあればマシなのだろうけど、そんなもの持っているはずもなく。僕はカカシさんの体を横に寝かせて、その足の間に顔を埋めた。
手でカカシさんの熱を扱きながら、後ろの秘部に唇を押し当てる。
「やっ・・・汚い・・・って・・・」
「全然。きれいですよ」
舌先を穴の中に差し込もうとするけれど、すぐに押し戻されるから舌と一緒に指をもう一度埋めていく。
唾液を何度も絡ませながら時間をかけて解していく内に、指一本は出し入れができるようにまでなった。
「ふ・・・っ・・・あぁ・・・」
出し入れをする度にクチクチと淫猥な音が聞こえる。
「カカシさん、気持ち悪くないですか」
「大丈夫・・・、ん・・・ぁ・・・」
まだこれじゃ挿れられそうにもなくて、指をもう一本増やしてみる。二本の指で入り口を広げるようにしながら、肉壁を擦るとこりこりとした痼りを見つけた。
そこを擦ってみると、カカシさんは体をビクンと震わせた。
「あっ・・・や、あ・・・やめっ・・・ッ」
「気持ちいいんですか?」
ここが気持ちいいのかと、何度もそこを集中して擦りあげる。
「ん・・・、あ、あ・・・駄目、イク・・・っ」 
見るとカカシさんの体は赤く染まって、吐き出した精液で体中が濡れていた。僕をうっすら見上げる目は熱っぽく潤んで、僕の熱がもうドクドクと脈を打って理性が利かない。
カカシさんの白い蜜を指先に掬い取り、自身に塗り付ける。
そして横になったままのカカシさんの片足を持ち上げて肩にかけ、未だヒクヒクと収縮を繰り返している秘部に、がちがちに硬くなった自身を押し当てた。
不安げな目で僕を見ていたカカシさんが目を閉じた。
「・・・大丈夫です、カカシさん」
痛いかもしれないのに大丈夫じゃないだろうと思いながらも。あんな顔をされたら、そう言ってしまいたくなるというか。
ぐっと腰を押し進めて先端部分を埋めた。
「・・・いっ・・・」
痛みで顔を顰めるカカシさんが心配になって、そこで止めてしまった。
「痛いですか?」
「・・・痛い。・・・でも、大丈夫だから」
カカシさんに言われて。僕はゆっくりと腰を押し進めた。ぎちぎちと音が聞こえてきそうな程、肉壁がぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
「・・・っ・・・」
「力、抜いてみて下さい。・・・僕の顔、見れますか」
うっすらと目を開いて、潤んだ瞳で僕を見つめる。
「カカシさんの中、すごく熱くて火傷してしまいそうですよ。気持ちよくて目の前がくらくらしているんです。・・・カカシさんとひとつになれて、嬉しいです。飛び上がりそうな位に嬉しい。カカシさんが好きです。誰にも渡したくない」
「俺も・・・。繋がってるの、そこだけなのに。体中が熱くて、テンゾウに溶かされそうだよ。テンゾウだったら何されてもいい。だから、動いてもいいよ・・・じっとしてるの、辛いでしょ」
「カカシさん・・・、っ」
ごめんなさい。そう思いながら、根元まで一気に押し進めた。
「あ・・・はぁ・・・ぁ・・・全部、入った・・・ね」
「っ・・・気持ちいいです・・・」
僕がそう言えばカカシさんは微笑んでくれた。
肩にかけたカカシさんの足を支えながら腰を細かく揺する。ちょうどカカシさんの良い所に先端が擦れるはずだと思って、位置を合わせてそこばかり擦る。しこりの部分がこりこりと当たって、僕自身も刺激される。
「ふ・・・や、あ・・・あっ・・・」
「っ・・・、ここ、好きですよね・・・?」
「ああっ・・・あ、あ・・・もっ・・・」
段々と動きやすくなってきたから少し位置を変えて、上から少し体重をかけるように熱を打ち込む。
カカシさんはもう快感しか感じていないようだった。淫らできれいで、そんなカカシさんも堪らなく愛おしい。
「んっ・・・ぁ・・・、っ・・・はぁ・・・」
途切れ途切れに溢れ出すカカシさんの声も甘く、僕の体中を痺れさせた。何度も強く打ち込むと、腰にどんどんと熱が集まり始めた。
「カカシさん」
僕は一旦動くのをやめて、カカシさんの足を下に降ろした。
そして繋がったままカカシさんを起こして、そのまま後ろに倒れ込んだ。
「少しだけ膝を立てていて下さい」
耳元で囁いて、カカシさんを今度は下から突き上げる。衝撃で浮いてしまうカカシさんの体をしっかりと抱きしめて、その髪になんどもキスをした。
「っ・・・あっ・・・そこばっか・・・、ん・・・っ・・・」
下からだと内側にあるしこりに、ちょうど当たるらしく。カカシさんの体がどんどんと熱を増していくのが分かった。
カカシさんの熱に触れてみると、いつのまにか硬く勃起していた。先走りのせいでヌルヌルとしている。
「あぁ・・・ぁっ・・・も、また、イキそ・・・っ」
「僕も、そろそろイキたい、です」
腰を打ち付ける音が一層早く、強く響く。
「あっ・・・はぁっ、ぁ・・・っ」
「・・・ぅ、っ」
カカシさんの熱を扱きながら、一瞬目の前が真っ白になった。気が付いた時、すぐ横にカカシさんの顔があって。お互いの熱が収まるまで貪るようにキスをした。これだけ愛し合ってもまだ足りないのかもしれない。僕も、カカシさんも。
キスに夢中になってカカシさんを下に組み敷こうとしたら、ずるりと繋がっていた部分が抜けてしまった。
「・・・っ、・・・ん・・・」
カカシさんの色っぽい声にハッとする。普通に中に出してしまったのだけど、良かったのかな。怒ってないかな。
「・・・風呂、入りますか?」
「後で。・・・ちょっと気持ち悪いけど、今はこうしていたいから」
そう言ってキスを強請るように目を閉じたカカシさんに、僕はまた唇を重ねる。
「俺、やっぱり・・・こっちでいい」
何の話だろうかと一瞬考えたけれど、あの話の事か。
「はい。僕はカカシさんの良い方でいいですよ」
「・・・だって、なんか・・・テンゾウに愛されてるって思えたから。逆だったら、また違うでしょ」
眠たそうな声で、ぽつぽつとカカシさんが言う言葉はいちいち嬉しくて。
「かわいいカカシさんがいっぱい見れて、僕は嬉しかったですよ」
「その・・・三十の男にかわいいは無いと思うけど。・・・あと、気持ち良かった。テンゾウの、なんていうか・・・大きいし」
カカシさんが、いちいち感想を教えてくれる事が可笑しくて笑ってしまうと、それ以上は教えてくれなくなってしまった。
「・・・ていうか、なんか疲れた。ちょっと寝てていい?ごめん、眠たくなっちゃった」
そう言って目を閉じたカカシさんの額にキスをして。
「おやすみなさい」
そう言うと、幸せそうな顔で少し微笑んで眠りに落ちていった。


カカシさんが眠った後。そのままにしておくのはマズいだろうと思って、自分で出したものの処理だけ済ませて(後で怒られるかもしれない)シャワーを浴びた。
気付かないうちに、自分の体にもカカシさんの付けた痕が残っていて顔が熱くなった。
本当にカカシさんと結ばれたんだと実感して、夢みたいだと思ってしまった。

中途半端にしたままだった仕込みの続きを、カカシさんが眠っている間に終わらせてしまおう。僕のベッドでタオルケットに包まって眠るカカシさんを見ただけで、胸がいっぱいになってしまう。
起こさないように静かに一階に降りていき、続きを始めて一段落付きコーヒーを淹れ一息を付いていたら、カカシさんが降りてきた。
「すみません。起こしちゃいましたか」
髪の毛が濡れている。シャワーも浴びたんだ、気付かなかった。
「ううん。お風呂借りたよ。・・・それより、ごめんね。後始末してもらって」
「えっ、あ、いえいえ」
カカシさんがカウンターに座った。時間も状況も全然違うんだけど、カカシさんがこうやって店にいて。カウンターに座っているという光景が本当に嬉しいと思った。
毎日そればかり思っていたから余計になんだと思うけれど。
「ここにいてもいい?」
「もちろんです。でも、寝なくて大丈夫ですか?」
「俺、あんまり寝なくても平気だから。テンゾウこそ一日中働きっぱなしだけど、大丈夫?」
「僕は頑丈ですし」
それにカカシさんと、あんな事やそんな事してむしろ元気になりました。なんて言ったら、多分怒られるだろうな・・・。
作り終えたケーキをオーブンに入れてタイマーを三十分セットした。
「これが焼けたら終わりっと・・・」
「このあいだ来てた人に教えてもらったの?作り方。・・・そんな話してるの、聞こえてたから」
「はい。駅前のケーキ屋さんでパティシエをやってるんですよ」
洗い物を片付けながら、カカシさんと話をする。カカシさんが眠っている間は音がうるさいからと、溜め込んでいたのだ。
「友達?仲良さそうだった。誕生日の事とか・・・」
全部聞いていたんだ。それは恥ずかしいかも知れない。
「あの、まさか焼きもち妬いてくれてるんですか」
「え。そんなんじゃない」
カカシさんは慌てて否定するけれど。必要以上の慌てた様子に、そうなんだと確信する。
「妬いてくれたんですね。嬉しいです」
「だから違うって・・・」
嬉しい。焼きもちを焼くという事はそれだけ僕の事を思ってくれてるという事で。それを必死で隠そうとするカカシさんも、死ぬ程かわいいと思う。
「・・・ただね。俺、あの人と親しそうに話をしているテンゾウを見て、あんな顔して話すのは俺だけじゃないんだって思ったんだ。色々と良くしてくれるのだって俺がお客さんだからであって、特別なんじゃないんだって思ったら、俺はテンゾウの事が好きなのかなって気付いてしまって。だから・・・」
「カカシさんの事は特別でしたよ」
不安気な顔をするから。つい、あえて言わなかった事を話す。
「他のお客さんに思わないような事はもちろん思っていたし、色々と」
そこまで話して洗い物を一旦やめて、カウンターを回りカカシさんの前に立つ。
「僕が好きなのはカカシさんだけですから。言ってくれたのはカカシさんからでしたけど、やっと叶ったんです。カカシさんが嫌って言っても、離しませんから安心して下さい」
そう言って抱きしめると、カカシさんは腕の中で小さく頷いた。
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