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in the flight
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夜の八時過ぎ。店内の掃除を終えてコーヒーを一杯、自分の為に淹れて飲んでいると店の扉が開く。銀色の髪が見えたから、僕は立ち上がった。
「お疲れ様でした」
「うん。テンゾウもお疲れさま」
カカシさんはにっこり笑って僕の前で立ち止まった。
一日中、ひとりで店を切り盛りするのはそれなりに疲れるけれど、カカシさんに会うだけで疲れなんか無くなってしまう。
両腕を伸ばしてカカシさんを抱きしめた。仕事の後は微かに火薬の匂いがする髪に顔を埋めるとカカシさんも僕に抱きついてくれた。
「毎日来てもらってすみません」
公園の向こう側からここまで来るのに早く歩いても二十分はかかる距離を、もうずっとカカシさんは歩いて来てくれているのだ。最近は夕立も多くて雨に濡れてしまう事も多い。
「平気だって言ってるでしょ。その事はもう気にしない」
そう言ってカカシさんは体を起こして僕を見つめてから、顔を寄せた。目を閉じればカカシさんの唇が重ねられる。
唇を開いて深く舌を絡ませると、予想していなかったかのように体を震わせて離れようとするカカシさんの腰を引き寄せた。
「・・・んっ・・・」
カカシさんの吐く溜め息が僕の体を痺れさせる。今すぐにでもカカシさんが欲しい。でもカカシさんはどうだろう。仕事が終わったばかりで疲れているかもしれないし、お腹だって空いているかもしれないし。僕は気にしないけれど、風呂に入ってからじゃないと嫌かもしれない。
まだ理性が聞くうちにと唇を話せば、蕩けるような潤んだ目でカカシさんが僕を睨んでいた。
「ちょっとキスしたいなって思っただけなのに、こんなエロいキスする事ないでしょ」
そんな顔で睨んだって誘っているようにしか見えなくて、困ったなぁと視線を逸らす。
「カカシさんからキスされたら、なんていうか・・・つい」
「ついじゃないよ、全く。・・・で、ね。今日はお土産があって」
カカシさんはそう言って肩からかけたままだった鞄の中から、和紙の包みを取り出した。
なんだろう?
手渡された包みを開くと、きれいな色とりどりの薄い和紙の線香花火が入っていた。
「もしかしてカカシさんが作ったんですか」
「うん。一緒に働いている人が自分の子供の為によく作ってあげていてね。手の空いた時に俺も作ってみたんだ。・・・テンゾウ、好きかなぁと思って」
「好きです。線香花火もカカシさんも」
にっこり笑ってそう答えると、カカシさんの顔が一気に赤くなった。
「馬鹿・・・そんなの聞いてない」
照れるカカシさんは本当にかわいいと思う。
「ご飯食べたら屋上で一緒にやりましょうね」
「屋上で花火なんかしていいの?」
「コンクリートなので大丈夫なんですよ。食事の準備も出来てるので、二階に上がりましょう」
そういえばカカシさんを屋上に連れて行った事がまだ無かったっけ。


食事を終えてカカシさんと屋上に上がった。電気も付くのだけど、雲のない晴れた日は月の灯りで充分だった。
屋外用のテーブルの上に持って上がってきた花火とキャンドルを置いて、木製のベンチに並んで座った。
通りからは屋根が目隠しになっているお陰で、花火大会の時は喧噪から遮断されてゆっくり見る事が出来るのだ。
「ここ、本当に特等席だね」
「でしょう。なので毎年友達が押し掛けてくるんですよ」
誕生日パーティだとかなんとか言って、皆花火が目当てでやってくる。僕としては一人で静かに楽しみたいのだけど。
「あ・・・じゃあ今年も?」
「多分そうなると思います。カカシさんは当日、忙しいですもんね」
「うん。朝から夜まで働きっぱなし。・・・いいなぁ。俺もお前と一緒に花火が見たい」
そう言ってカカシさんは溜め息を吐いた。
「僕も一緒に見たかったですけど、仕方ないですもんね」
「・・・あのさ。終わったら来てもいい?」
「え?でも打ち上げとかあるんじゃないんですか」
「そんなの行かなくったって平気。テンゾウの誕生日だもん、お祝いしたいし」
「僕はカカシさんが作った花火を見られるだけで充分ですよ」
「・・・ま、友達と一緒にいる所を邪魔するつもり無いけど」
さりげなく言ったカカシさんの言葉がチクリと胸に刺さった。
本当は僕だってカカシさんと一緒にいたいけど。
きっと数日前から準備で忙しくなるし、当日だって炎天下の中で働きっぱなしな訳なのだから、花火大会が終わって片付けが終わった後はもうクタクタになっているはず。僕としては、ゆっくり休んでほしいから。僕の誕生日ぐらいで来てもらうなんて、申し訳なさすぎると思った。
少し気まずい空気が流れる。
「花火やりましょう。あ・・・そうだ、勝負しませんか?どっちが長く、火種を落とさないでいられるか」
「いいけど。花火師だよ、俺。・・・じゃ、負けたら勝った方の言う事をなんでも聞くこと」
「なんでも?」
「そう。ま、俺が勝つけどね」
カカシさんはそう言って、持って来たキャンドルに火を付けた。
「それなら僕だって負ける気がしません」
そう言って、カカシさんが作ってくれた線香花火を手に取って。二人同時に火を点けた。
バチバチと音を立てて、次第に火花が大きく広がっていく。
カカシさんが僕にして欲しい事ってなんだろう?それが凄く気になる。でもきっとカカシさんのお願いなら僕は多少無理してでも叶えてあげたいと思うんだ。
ふたつの火花は次第に細く垂れるように落ちていく。
「粘るね」
「そりゃ粘りますよ。それに、カカシさんが作ってくれた花火だから。最後までちゃんと見たいと思って」
そう言ってカカシさんの顔を見た瞬間に、ぽとりと僕の玉が下に落ちてしまった。
「あ。ほらやっぱり俺の勝ち」
「えー・・・」
カカシさんは嬉しそうに笑った。
「最後がね、俺は一番好きかな」
言いながら花火を見つめるカカシさんの横顔がとてもきれいで、思わず見とれてしまう。
散り際、バチチと音を立てて最後の火花が弾けとんだ。
「僕にしてほしい事って何ですか」
「・・・ん、とね。ふたつあって、どっちにしようか悩んでるんだけど」
「はい」
ふたつとも聞いても構わないんだけどなぁと思いながらカカシさんに顔を向けると、不意に唇を塞がれた。後頭部を両手で抑え込まれて身動きが取れない。
カカシさんの舌が口内に潜り込んできて、僕の舌に絡んでくる。
突然の事に驚いていると、唇がゆっくり離れていって熱っぽい声で言った。
「・・・したい」
まさかカカシさんがそんな事言うなんて思ってもみなかった。
「それが・・・カカシさんのお願いですか?」
念のため聞いてみると、小さく頷いた。
「そんな事わざわざお願いしなくたって、カカシさんがしたいのならいつでも」
僕がそう言えば顔を赤くして目を逸らした。そんなカカシさんが可愛くて頬の筋肉が緩んでしまう。カカシさんの唇を塞いでカットソーの裾から手を忍び込ませた。
「っ・・・」
手を滑らせて乳首に触れるとすぐに硬くなって、軽く身を捩らせた。
もう片方の手を下半身に伸ばせば、そこはもうすでに硬く張りつめている。形を確かめるように撫で上げると、ぎゅっと僕にしがみつく。
「・・・ぁ・・・っ」
「下に行きますか?」
本当は下に行く時間も煩わしく思うけれど、いくら外からは見えないからと言ったって外である事には違いない。
するとカカシさんは首を横に振る。
「いいから、早く」
聞こえない位の声でそう言って、
その言葉に簡単に僕は煽られて、ズボンのフロント部分を開いて直接昂りに触れた。
カカシさんがこんなに僕に欲情するなんて初めてかもしれない。首筋にキスを落としながらズボンと下着を引き下ろす。
「あ・・・っ」
握り込んだ手を動かすと、先端から蜜がトロトロと溢れだして水音を立てた。
「ん・・・はぁ・・・」
零れ続ける蜜が指の滑りをよくしてくれるお陰で、大きく上下に動かせるようになった。カカシさんの鼓動も吐く息も次第に早くなっていく。
「はぁ・・・っあ・・・、あッ」
どくんと強く脈を打ち、吐き出される体液を手で受け止めた。
荒い息を吐き出しながら体を震わせているカカシさんを見ていると、早く一つになりたいという思いが我慢できなくなりそうだった。
手に受け止めた生温かい体液を後ろの窄まりに塗り付ける。そして、そのまますぐに指を奥まで埋め込んだ。
「・・・ぁっ・・・はぁ・・・ぁ」
慣らすように何度も抜き差しを繰り返していると、もどかしそうな顔でカカシさんが僕に言う。
「早く・・・っ」
「カカシさん・・・」
「いいから・・・苦しい」
今挿れてしまったら、まだ慣れていないせいで痛みが生じる事はカカシさんも解ってると思うんだけど。
でもカカシさんのお願いだし、それに・・・好きな人に煽られて理性を保てるような男じゃない。
「痛いって言ったって、やめれませんからね」
僕はそう言って、カカシさんを後ろのテーブルに押し倒して、両足を持ち上げカカシさんに持っててもらう。
屋外のこんな場所で、カカシさんがこんな格好をしているというだけでも興奮するのに。
「テンゾ・・・はやく」
僕は急いで自身の昂りを取り出し、カカシさんの窄まりに先端を押し当てた。
ひくひくと動くそこも、早く挿れて欲しいと誘っているようだった。下から少し突上げるような形で、一気に奥まで埋め込む。
「ぁあっ、・・・あ・・・はぁ・・・っ」
「キツ・・・」
思わず声を出してしまいそうなほどギチギチに、焼けるように熱い肉壁が僕自身を締め付ける。カカシさんは痛いんじゃないのだろうか。だけど、痛くても構わないような事を言っていたから聞くにも聞けなくて。
「っ・・・、ごめん。・・・やっぱ、こんなんじゃキツいよね」
「僕なら平気です。辛いのはカカシさんでしょう」
体と手を伸ばして、顔を隠していた長い前髪を横に撫で付けた。
苦しそうな息を吐きながらも首を横に振る。
「平気・・・動いていいよ。あ・・・動ける?」
「・・・はい」
僕がそう答えると、にっこり微笑んで良かったなんて言った。本当にカカシさんがかわいくて、好き過ぎて、どうしたらいいのか分からなくなる。
カカシさんに促されてゆっくり腰を動かし始める。
「はぁ・・・ぁ・・・っ、ん・・・っ」
次第に入り口が緩んで出し入れがしやすくなってきたのと同時に、動かすと同時に卑猥な音が聞こえてくる。
「カカシさん・・・気持ちいいですか?」
「っ・・・はぁっ・・・気持ち・・い・・・あ、ぁっ」
恥ずかしそうに答えるカカシさんを、激しく突上げて追い立てる。僕も限界が近いのだ。
ガタガタと木製のテーブルが律動に合わせて激しい音を立てている。
「テンゾ・・・あっ・・・そこ、駄目・・・っ」
「カカシさん、ここ、好きでしょう・・・っ?」
カカシさんの前立腺を押し上げるように挿入を繰り返すと、いつのまにか達したばかりのカカシさんの昂りが硬く反り返っていた。
それを握り込んで動かしてみると、体がビクンと跳ね上がる。
「ああっ・・・あ・・・っ」
「・・・ッ」
カカシさんの奥に欲望を叩き付けると、カカシさんも何度も体を震わせながら欲望を吐き出した。勢い良く飛び出したものが、カカシさんの服や顔にまで飛び散っている。カカシさんは両足を降ろして、大きく息を吐きながら腕で顔を覆った。
僕はそんなカカシさんの上に体を重ね、抱きしめる。
「好きです、カカシさん」
耳元でそう囁けば、僕の背中にカカシさんの両腕が回された。
「まだ足りませんか?」
冗談まじりでそう聞けば、カカシさんは小さく頷いた。予想外の答えが返ってきた事に僕は驚きながらも、カカシさんが求めるのなら僕は何度でもできるような気がしてきて。
「じゃあ次はベッドで。背中、痛いでしょう」
そう言ってカカシさんと一緒に起き上がる。
「頭真っ白になって目開けたら、星がいっぱい見えて、きれいだった」
言われて空を見上げたら、沢山の星とまるい月。
満月の夜だから今日のカカシさんは大胆なのかもしれない。
カカシさんは下に落ちていた下着を穿き、僕を置いてさっさと下に降りて行ってしまった。
「あ、待って下さい」
僕も慌ててカカシさんを追いかけて下に降りて行くと、部屋にカカシさんはおらずキョロキョロと探してみると浴室のほうからシャワーの音が聞こえてきた。浴室の扉の前で声を掛けてみる。
「カカシさん。置いていくなんて酷いですよ」
「いいからそんな事言ってないで入っておいでよ。・・・続き、するんでしょ?」
「あ・・・はいっ!もちろん・・・!」
汚れた衣服を洗濯機の中に突っ込んで浴室に入って。それから明け方にカカシさんが眠ってしまうまで、何度も求め合った。
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