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in the flight
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家の回りが騒がしくなってきた。日が落ちる前、花火の見物客で公園には沢山の人で溢れ帰っていた。
そんな喧噪を聞きながら僕はふて寝をしている。きっと今頃カカシさんは忙しく働いているんだろうとか、カカシさんの事ばかり考えてしまう自分にもそろそろ嫌気が差してきた。
今日になっても連絡が取れないっていうことは、諦めろって事なんだろうけど・・・。
目を閉じれば、カカシさんの顔や声が脳内を過る。僕のこと、あんな簡単な事で忘れられる位にしかカカシさんは想ってくれていなかったんだろうか。浮気をしている所を見た訳でもないのになぁ。
もしかしたら男なんかを好きになってしまった事を後悔したのかも知れない。受け止める側は体も精神的にも負担が大きい。それだけに、もう嫌になってしまったのかも。
嫌われるような事もした覚えがないけれど、知らない間に何か酷い事を言ってしまったかもしれない。

花火大会は七時半から始まる。今日はまだカカシさんに一度も電話をかけていない。
毎日なんども電話なんかして気持ち悪いとか思われているかも知れないけれど、やっぱりこんな別れ方をするのだけはどうしても納得できない。
もし今日も連絡が取れなかったら、明日カカシさんの仕事場に会いに行こうと思う。押し掛けるのだけは嫌だったけれど、一言でも二言でもいい。カカシさんの言葉が聞きたい。それが、嫌いになったっていう言葉でも構わない。そう言ってもらえたら、僕だって諦めがつくかもしれないから。


軽い夕食を作って食べ始めた頃、外から花火の大きな音が聞こえてきた。
すぐ目の前の公園で打ち上げているせいで、その振動で家中が響いている。見るのは辛くなるだろうからやめておこうって思っていたけれど、やっぱり気になっていても立ってもいられなくなって。僕は一人、ビールの缶を数本まとめて持って屋上へと上がった。
カカシさんが作った花火が打ち上げられている。屋上に来る度に思い出してしまう。カカシさんとここで抱き合った事と、出て行った時の事と。
結局カカシさんが何を考えているのか僕には分からないけれど、もしかしたらカカシさんはあの日僕と別れるつもりだったのかもしれない。
真っ暗な空を、強烈な音と光で照らす花火を見上げながら、そんな事を漠然と思って。
ビールの缶を開ける音すらも聞こえないぐらいの爆発音。頭上に降り注ぐように落ちて来るスターマイン。あまりにも呆気ない。こんなふうに僕の恋も終わってしまったのだと思った。


もうそろそろ花火も終わる時間かもしれない。部屋に戻って、今日は酔いつぶれて寝てしまいたい。イズモがせっかく持ってきてくれた二人用の誕生日ケーキは、やっぱり必要なかったな。
腰掛けていたテーブルから立ち上がって、最後に空を見上げたら。
なんだかよく分からない形の花火が、空一面に沢山打ち上げられていた。よくよく見てみると、それは珈琲豆のような形をしていて。小さい粒が沢山飛び散っている。
もしかしてカカシさんが作った花火なんじゃないだろうか。いや、カカシさん以外にあんな花火を打ち上げる意味が分からない。
・・・僕のため?いやいや、まさかそんな。
カカシさんは僕とはもう別れたいって思っているはず。だけど・・・目の前の、この花火はなんだろう。もう諦めようとしていたのに。頭のなかが、ぐちゃぐちゃになる。

気付けば花火大会は終わっていて、見物客の賑やかな声が聞こえてきていた。
心の中がモヤモヤしたまま部屋に降りて行き、窓から公園の様子を覗いてみたら店の前の細い道が人で溢れ返っていた。
こんなぎゅうぎゅうになってまで近くで見たいものなのだろうか。だけど、歩く人々の顔は皆晴れやかだった。
公園の奥のほうから人混みを掻き分けて走ってくる人影が目に映る。銀色の髪。
僕はしばらく信じられなかったけど。公園の出口の所で一旦立ち止まったカカシさんの姿を見て、慌てて玄関まで降りていく。足を引き摺りながら階段を降りて、扉を開けようとした時に鍵が外側から開かれて。ゆっくり扉が開かれた。
苦しそうな表情で、大きく肩で息をしているカカシさんが、まさか玄関に僕が立っているとは思いもしなかったように驚いて。
「カカシさん」
顔を見た途端に僕は、カカシさんの腕を引き寄せて抱きしめていた。力一杯に。
顔を見た途端に僕は、カカシさんの腕を引き寄せて抱きしめていた。力一杯に。
「・・・苦しい」
「会いたかった」
カカシさんの肩が震えた。
「な・・・んで?俺に会いたくなかったんじゃないの・・・?」
「何言ってるんですか、カカシさん」
それはカカシさんのほうじゃないですか。そう言おうと思ったのだけど・・・体を起こしたカカシさんが、泣きそうな顔で僕を見つめていたから。
そうじゃなかったのだと、すぐに分かった。
「・・・沢山、話したい事があるのですが」
その前にカカシさんが欲しくてたまらなくなってしまった。
唇を塞いで舌を潜り込ませると、カカシさんも口を開いて受け入れてくれた。
ざらざらとした感触を味わいながらも、今はとにかくカカシさんが欲しくて下腹部に手を入れた。カカシさんの昂りに直接触れるとすでにもう硬く反り返っていたから、僕は泣きそうな位に嬉しくなった。
唇を離して僕はカカシさんの前に跪く。
「え・・・あ、待って。駄目だって・・・」
戸惑うカカシさんが後ずさりしたけれど、すぐ後ろに扉があったから逃げられなくなった。
「平気です。・・・駄目じゃないでしょう?こっちは、して欲しそうにしてますが」
カカシさんのズボンを下着ごと降ろし、ぷくりと蜜が溢れ出している先端を舌で舐めると、ぎゅっと僕の頭を掴んだ。
「っ・・・風呂に・・・入ってからじゃないと」
「気にしません」
手で優しく根元を擦りながらカカシさんを見上げると、恥ずかしそうに目を逸らす。そんな反応がかわいくて、そのまま先端だけを口内に含んだ。
「・・・ッ」
舌でぐりぐりと割れ目を押し付けるように刺激して、くちゅぐちゅとわざと音を立てて吸付く。
「・・・っ・・・はぁ・・・っ」
カカシさんを見てみれば、ぎゅっと目を閉じて声が漏れ出さないように堪えているようだった。
唇を離して、カカシさんの竿をしごきながら話かけた。
「声、我慢しないでください」
「だって・・・っ、玄関で、誰か来たら・・・ぅ」
「大丈夫、誰も来ません」
それでもカカシさんは必死に堪えようとしているから、それならともう一度僕は咥えこんだ。そしてそのまま舌を這わせながら奥までゆっくり進み、唾液と先走りで濡れた指を後ろの窄まりへと滑らせた。
「んっ・・・はぁ・・・っ・・・」
入り口がひくひくと収縮をしていて。こっちも弄って欲しいと待ち構えているようだった。そっと指先で皺をなぞると悶えるように、カカシさんは腰をくねらせた。
「っ・・・、焦ら、すな・・・っ」
そう言ってカカシさんは僕の頭を強く掴む。
早く欲しくて辛いのはカカシさんも一緒だったのだ。
つぷんと窄まりの中に指を埋め込んだ。熱い肉壁に押し戻されそうになりながら、ゆっくり解すように押し開げていく。
「ぁ・・・、はぁ・・・っ」
しばらくしてないから、ここもいつも以上に絞まっているのかもしれない。
力を抜いてもらうのは無理そうだから、と顔を上下に動かした。唇が擦れてぬぷぬぷと卑猥な音がする。
指も同じように動かすと、カカシさんの足が小さく震えた。
「っ・・・ぅ・・・ぁ・・・ぁっ、も・・・やめっ・・・」
カカシさんは僕を引き離そうとする。絶頂が近いのかもしれない。
緩んできた窄まりに指をもう一本埋め込んでみたら、すんなりと呑み込まれていった。
二本の指の腹で内側のしこりを擦る。どれぐらい気持ちいいのか僕には分からないけれど、ここを刺激してあげると反応が凄くいいのだ。
「あ、あ・・・っ」
はじめはゆっくりと、そして強弱をつけながら何度もそこを執拗に擦り続ける。
「や・・・っ、ああ・・・っ・・・イキ、たい・・・っ」
泣いているような声で言って、何度も頭を振る。だけど、もう少しかわいいカカシさんを見ていたいから、まだイカせたくない。
僕は口を離し、もう今にも爆発してしまいそうな竿の根元を強く握り込んだ。
「もう少し我慢して下さい。・・・カカシさん、僕のもして」
するとカカシさんはこっくりと頷いて、その場に腰を降ろした。そのまま前のめりになって僕の下腹部に顔を近づけてくるから、僕は体の向きを変えてカカシさんの下に潜り込んだ。
「今日は・・・テンゾウ、誕生日だから。したい事なんでも言って」
そう言ってカカシさんは僕のズボンと下着を剥ぎ取り、先端に唇を押し当てる。
まだ一度も触れていない僕の昂りがドクンと弾んだ。やばいぐらいに気持ちいい。
カカシさんの口内に呑み込まれていく。ひどく熱くぬるぬるとした感触に、思わず溜め息が出てしまう。
カカシさんの舌が裏筋をなぞるように伝い、やがて上下に動かされる。
「・・・ッ、カカシさん、気持ちいい」
滅多にしてもらわないカカシさんの口淫は、とても気持ちいい。カカシさんにも気持ちよくなってもらいたいと、カカシさんの腰を下から引き寄せて。かわいい窄まりに唇を押し当てた。何度もそこにキスをしてから、舌を潜りこませる。
「や・・・っ」
前も同時に扱いてあげると、カカシさんの口が離された。
「駄目・・・、ッ・・・汚い・・・っ」
「汚くなんか。かわいいですよ、ひくひくしてて」
そう言って舌先で付いてみると、背中を仰け反らせた。
「あっ・・・あ、もう・・・ッ」
「いいですよ、イって」
射精を促すように扱けば、小さく呻き声を上げて達した。
はぁはぁと乱れた息を吐くカカシさんを、僕は抱きしめる。
「ごめん。ちゃんと、できなかった」
途中で口淫を中断してしまった事を謝っているんだろう。でも僕は、最後までしてもらうつもりは全くなかったし。それに中断させたのは、この僕でもある訳だから、カカシさんが謝る事は全然無い。
「じゃあ・・・さっき、なんでも言ってって言ってくれましたよね」
「うん、言った」
「カカシさんが上に乗ってください。駄目ですか?」
こんな事、普段ならカカシさんに言えないのだけど。なんでも言っていいと言われたら、つい。
「・・・いいよ。お前、怪我してるし」
カカシさんにそう言われて、怪我して良かったと初めて思えたかも知れない。

玄関のすぐ後ろにある店の倉庫から踏み台を持ってきて、そこに腰を降ろした。
ドキドキしながらカカシさんを待つ。
「・・・上手くできなかったらごめん」
そんな事を言いながら、恐る恐るといった具合に僕の上に跨がった。
「大丈夫ですよ。挿れたら腰を上下に動かしたらいいだけなんで」
「馬鹿・・・!いちいち言わなくたって分かってるよ」
カカシさんは顔を真っ赤にして僕を睨んで、憤り立った僕の昂りに手を添えた。
濡れたカカシさんの窄まりが、先端に押し当てられる。
「熱・・・」
一言そう言って、ゆっくりと腰を落としていくカカシさんを僕は抱きしめながら。自身が熱い肉壁に包み込まれていくのを目を閉じて感じていた。
カカシさんの体が震えている。
「全部入った・・・駄目、気持ちいい・・・」
溜め息混じりの声でカカシさんが言って、僕の首元に顔を埋めた。
「カカシさん。僕、カカシさんの事好きです」
「・・・っ」
僕の言葉にカカシさんの肩が震えた。
「だから辛かったです。カカシさんに会えなくなって、電話も出てもらえなくて。ちなみに、カカシさんが気にしていた葉書の女性は全然そんなんじゃありません。僕はカカシさん以外の人と、こういう事したいって思った事は一度も無い」
「・・・じゃあ、俺の勘違い・・・だったって事?」
「そうです。何をそこまで勘違いしたのか分かりませんけど、僕の事もっと信用して下さい。僕はもうカカシさんに嫌われたと思って・・・」
「嫌いになる訳ない。俺は逆にテンゾウに振られると思って、電話に出なかった。店に行ってみたら閉まってるし、俺の顔なんて見たくないのかって思ってた」
「そんな訳ないでしょう・・・本当に会いたかった。愛してます」
カカシさんがゆっくりと顔を上げて、僕の顔をじっと見る。まだ不安気な顔をしているカカシさんにキスをして、それから貪り合うように舌を深く絡めあう。
ゆっくりとカカシさんが腰を動かし始めると、僕の昂りの硬度が更に増していく。
「ふっ・・・あっ・・・ぁっ・・・うぅん・・・っ」
段々と激しさをます腰の動きに息ができなくなって、どちらからともなく唇を離した。
「ああっあ、あ・・・っ」
「カカシさん・・・ッ」
カカシさんの首筋にいくつも跡を残して。気持ちよくてイッてしまいそうなのを必死で堪える。途切れる事なくいつまでも繋がっていたい。
「気持ち、い・・・ああ・・・っ」
何度も角度を変えて、カカシさんは腰を上下に揺らす。
「あ・・・っ・・・も、イッ・・・」
カカシさんの精液が勢い良く飛び出して。僕の胸や首元に飛び散った。
肩で大きく息を吐きながらカカシさんがごめんと謝る。
「じゃあ次は僕の番です」
座ったまま、下から突き上げる。
「あっぁっ・・・ッ」
ぎゅっと僕にしがみついたまま、小さな声を上げる。
「っ・・・なんで、そんな・・・っ元気なのよ・・・っ」
「カカシさんがかわいいから」
僕はそう言って激しく腰を動かし続けた。自分でもよく分からないけれど。カカシさんにずっと会えなかったから、カカシさん不足だったのだと思う。
「意味分から・・・ない・・・っ、ぁっ・・・」
「っ・・・でも、イキそう・・・です・・・っ、ッ」
数日間分の欲望がカカシさんの中に注ぎ込まれた。それを全部受け止めたカカシさんが体を起こして、僕にキスをしてくれた。
「誕生日おめでとう」
その言葉だけで僕は涙が出てきそうになってしまって。
こんなにも愛おしい人を忘れられるはずなんて無いのに。僕はカカシさんを諦めようとしていた。
「ありがとう・・・ございます」
しばらく繋がったまま抱き合っていたのだけど、僕の足から血が滲んでいるのをカカシさんが気付いて大騒ぎになって一緒に部屋に戻った。
「処置は自分でできるので・・・先にシャワー使ってください」
「駄目、俺がする。・・・だってこれ、俺のせいでしょ」
言いながらカカシさんが足に巻かれた包帯を解いていく。
「カカシさんのせいなんかじゃないですよ」
僕は苦笑いをしてそう答える。裸足で飛び出した自分が悪いのだ。
「いいから。シャワーは一緒に入る」
「・・・なるほど。僕と一緒にいたいんですね」
冗談で言ったのに、カカシさんは僕の顔をじっと見上げて頷いた。
「いいでしょ別に。・・・会いたかったんだし」
「そうですね。僕もカカシさんとずっと一緒にいたいです」
カカシさんに消毒をしてもらって、包帯も巻きなおしてもらって。ふとカカシさんの顔を見ると、目の下にクマができていた。やっぱり疲れているなぁ。今日はもう早く休んで、明日ゆっくりすればいい。
「今日は風呂に入ったら休みましょう」
僕がそう言うと、どさっと僕の隣に座った。
「あのねぇ。せっかく誕生日に間に合うようにって急いで来たんだよ?誕生日ケーキとか、色々やることあるでしょ」
「・・・そうでした。でも、眠くなったら寝てもらっても大丈夫ですからね。カカシさんの寝顔を見るのも、僕は好きなので」
そう言って冷蔵庫に入れたケーキを取りにいく。
「そうじゃなくて。それは俺が寂しいでしょ。俺だってテンゾウの顔見ていたいし・・・っと、ビールちょうだいね」
いつの間にか台所に付いてきたカカシさんが、開いた冷蔵庫からビールの缶を後ろからひょいと取り上げる。
「来た時から喉が渇いて死にそうだったの、そういえば。・・・飲んでいい?」
「はい。もちろん」
いただきますと言って、ビールの蓋を開けて半分位は一気に飲んでしまったと思う。
花火大会が終わってカカシさんは走ってここまで来てくれたのだ。喉が渇いてて当然だよなぁ。
「じゃあ、やっぱりさっき僕のを飲ん・・・」
「バカ・・・!ビール吹きそうになっちゃったでしょ」
カカシさんは顔を赤くしながらソファに戻っていく。耳まで赤くして、かわいい。
「それより、仕事は大丈夫だったんですか?」
「大丈夫でしょ。それに、打ち上げとかで騒いだりするの好きじゃないし」
テーブルにケーキを置いて開けてみると、白いムースの上にフルーツが沢山飾られてる、とても豪華なケーキだった。
カカシさんが甘いものが苦手だって話してあったから、果物を沢山乗せてくれたんだろう。
「すごいね。でも、なんでこんなの貰える訳?」
「え?」
ムスッとしたような言い草にカカシさんの顔を覗き込んだら、ふいっと顔を背けられた。
「・・・もしかして、焼きもちですか?」
「そんなんじゃないよ」
いや、どう考えたって焼きもち妬いてくれてる。嬉しい。僕は腕を伸ばして愛おしい人を抱きしめた。
「カカシさん」
「・・・何よ」
「そんな手当たり次第、焼きもち妬かないで下さい。イズモはカカシさんの事知ってますし、よく知りませんけど恋人もいるみたいです」
「だから、妬いてなんかないって」
「好きです」
「・・・は?だから何でこのタイミングで」
「あんまり妬かれると、この間みたいになるんで困りますが。そんなカカシさんがかわいくて、好きです」
するとカカシさんは溜め息を吐いて、諦めたように言った。
「もう喋らなくていい」
「・・・キスしてほしいんですか?」
「違うっ」
カカシさんは顔を真っ赤にさせて、僕から離れてじっと僕の目を見ている。それは本当にキスを待っているようにしか見えなくて。こんな風に思ってしまう僕がどうかしているのだろうか。
僕はカカシさんに顔を寄せて額にキスをした。唇にキスしてしまったら理性が切れてしまって、いつまでたってもケーキが食べられないような気がして。

白いムースはグレープフルーツの味がして、甘いのが苦手だというカカシさんも美味しいって一緒に食べてくれた。
「ごめんね、プレゼント。俺、急いで来たから持って来れなくて。明日には渡せると思う」
「プレゼントならもう頂きましたよ?」
「俺・・・とか言うんじゃないだろうな」
「もちろん。それもですけど、花火。嬉しかった」
まぁ、あれが珈琲豆の形をしていた事なんて僕以外の人には分からなかっただろうけど。
「花火見ながら、カカシさんの事ずっと考えてました。もう別れる事になるのかなって。だから一瞬、何がなんだかわからなくなっちゃいました」
「俺はね。テンゾウに嫌われたと思ってたから、ずっと謝りたくて。会いに行く事もできなくて。・・・テンゾウが見てくれてたらいいなと思って、徹夜して作ったの。打ち上げたらね、どうしても会いたくなって。気付いたら店の前にいたんだ。プレゼントは別に用意してあるから」
「本当ですか?プレゼント楽しみにしています。嬉しいです」

それから僕とカカシさんはケーキを食べたあと、もう一度抱き合って。一緒に風呂に入ってベッドに入って。キスをしているうちに、カカシさんは眠ってしまった。
普段は眠りが浅いカカシさんだけれど、ぐっすりと眠り込んでいるようで今日は朝まで起きないだろう。
さらりとした髪をそっと掻き分けて、額に唇を押し当てる。カカシさんには言わないけれど、カカシさんって額が見えると少し幼く見えるのだ。
「お疲れさま」
起こしてしまわないように小さな声でそう囁いて、僕も目を閉じる。
明日はカカシさんより先に起きて、おいしいコーヒーをカカシさんの為に。

いや、明日だけじゃなくて、この先ずっと。
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